熊本大学 法学部2017
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 お菓子作りに自信を持つあなたが、ケーキ店を始めます。自宅で明日から営業できるでしょうか?できません。食品衛生法という法律により、行政(役所)に申請し、「許可」を得た上でなければ、営業できません(違反には最悪の場合懲役2年!)。 なぜでしょうか? 食中毒が出たら大変だからです。健康被害が起きてからでは遅いため、行政は「事前に」厳しいチェックを行い、あらゆる飲食店の安全性を確保しています。だから私たちはどこの店に入っても安心なのです。では、お祭の焼鳥屋、からあげを揚げて売るコンビニ、カップ麺に自動でお湯を注ぐ自販機も同じ許可が必要でしょうか?実はその答えは意外なのです。 行政の活動を対象とする行政法について、ここに書いた事前チェックの意義や方法などを「行政過程論」、本来はもらえるはずのケーキ店の許可がもらえなかったときの対抗手段などを「行政救済法」という科目で学びます。行政法-大脇 成昭 Shigeaki OWAKIKumamoto University Faculty of Law3・4年次の授業 「消えた年金」に「待機児童問題」、「医師不足による地域医療の崩壊」。皆さんは、ニュース等で耳にしたことがあるでしょうか。これらはすべて、社会保障法で学ぶ法制度にかかわる事柄です。社会保障法では、私たちが日々の生活を送るなかで生じる様々なニーズ、具体的には、病気になった時の医療サービスへのニーズや、失業して働けなくなったときの所得保障に対するニーズ、子育てをしながら働き続ける場合の保育サービスへのニーズなどを保障する複数の法制度について学びます。 たとえば、私たちが疾病や失業、障害といった事態に対処するためには、サービス提供機関(国・地方自治体・中間団体など)と私たちとの間に、どのような権利義務関係が必要となるのかを論理的に検討し、それに基づく保障の仕組みを考えます。 私にはそのようなニーズは生じないから興味がないと思っているあなた、それでも20歳になったら年金保険料を支払い、国民年金保険制度に加入しなければなりません。会社員になったら、給料から年金保険料や医療保険料が天引きされます。なぜなのでしょうか? 講義でお話しします。社会保障法-倉田 賀世 Kayo KURATA9留学・単位互換制度 熊本大学は海外の多数の大学と大学間交流協定を締結しています(詳しくは大学のHPをご覧下さい)。法学部生の留学先として、モンタナ大学(アメリカ)、リーズ大学(イギリス)、マッセー大学(ニュージーランド)、ザールラント大学(ドイツ)、華東政法大学(中国上海)などへ実績があります。また、熊大法学部においても、独自に韓南大学校(韓国大田)と交流協定を締結し、相互に交換留学生を派遣して交流が続いています。 留学先で修得した単位の一部を熊大法学部の卒業単位として認定する単位互換も認められています。したがって、留学しても頑張れば4年間で卒業することができます。また、夏休みを利用した短期間の留学プログラムもあります(16頁参照)。 また、熊大法学部は、熊本県立大学総合管理学部、熊本学園大学経済学部・商学部の間で単位互換制度を実施しています。1995年からの国公私立を越えたこの単位互換制度は全国初の仕組みです。会計や商学・経営科目など、法学部で開講されていない授業を履修することができます。この制度で修得した単位は熊大法学部の卒業単位に含めることができます。

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