熊本大学 法学部2017
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 憲法・民法・刑法といえば、皆さんもTVや新聞報道などでよく耳にする法律ですよね。これらと同じ感覚で捉えると、<労働法>という具体的な法律がありそうな気がしますが、実は<労働法>という名前の法律は存在しません。これは一種の「あだ名」なんです。 例えば、皆さんが熊大法学部に合格して早速アルバイトを始めたと仮定しましょう。働いている「あなた」(法律上は「労働者」といいます)は、バイト先の店長さん(法律上は「使用者」といいます)から給料を払ってもらえませんでした。「あなた」は困りますよね。これを法律という道具を使っていかに解決するかを考える学問が<労働法>の一面です。このトラブルでは、「労働基準法」や「労働契約法」といった複数の法律を活用する必要があります。このように「労働法」とは、何か1つの法律を表すのではなく、労働者と使用者との関係を規律する複数の法律の総称なのです。熊大法学部では2年次以降で学習します。労働法-中内 哲 Satoshi NAKAUCHI この他にも、外部講師・実務家による「ジャーナリズムの現場から」、「紛争処理と法律家の役割」、専門ゼミや集中講義などがあります。■履修イメージ 前期(3・4年次の何れかで必要な科目を履修します)1012345水木金月火社会保障法Ⅰ/日本法制史西洋法制史Ⅰ/公共経済学手形法・小切手法/経済法Ⅰ外交史労使関係法/経済統計債権担保法/国際経済論民事訴訟法Ⅰ外書講読国際法Ⅱ/政治思想史刑事訴訟法Ⅰ租税法Ⅰ/刑事政策法哲学/国際政治学国際私法/行政救済法Ⅰ契約法法哲学保険法/法社会学Ⅰ法学部行事実行委員会 法学部行事実行委員会は、本学部で行われるさまざまな行事を企画から運営まで全て学生自身の手で行うことを目的とした組織です。 基本的に、1年次必修の基礎演習Ⅰの各クラスから2名ずつ選出され、委員会を構成しています。高校に例えて言うならば、体育祭・修学旅行などの実行委員会と生徒会がひとつになったものという感じです。 行事実行委員会が実施する主な年間行事は次のとおりです。 5月 1年次合宿研修 7月 法学部スポーツ大会春期 11月 法学部スポーツ大会秋期 12月 ゼミ説明会 3月 卒業祝賀会 この他にも、法学部長や学長との懇談会に参加し、学生からの意見を述べたり、学生による授業アンケートを実施しています。また、2010年度から法学部ホームページの学生リレーエッセイの執筆も分担しています。 行事実行委員会の活動は法学部生の親睦を深めるものが基本ですが、活動は多岐にわたり、法学部の学生生活にとっては欠かすことのできないものとなっています。委員同士が親睦を深める機会も多いので、楽しい学生生活の場ともなっています。 経済法の中心として位置づけられている具体的な法律の名前として、「独占禁止法」という法律があります。この独占禁止法を使って仕事をしている、公正取引委員会という行政機関もあります。公正取引委員会は、牛乳を大安売りしていたスーパーに対して、それは不当な行為であるから、やめなさいと命令したことがあります。また、家電量販店が1円でテレビなどを売ろうとした際に、それをやめるよう警告したこともあります。 私たちの住んでいる社会では、企業同士が競争しあって、より良いものをより安く提供できるように、経済の仕組みが整えられています。スポーツをする時に、ルールを守ってフェアプレイすることが求められるのと同じように、企業間の競争も、「独占禁止法」というルールを守って行われる必要があります。独占禁止法では、禁止行為の一つとして、不当な安売り行為の禁止が定められているため、上に述べたような措置がとられたのです。私たち消費者が、一般には「買う」という形で参加している経済社会で守られるべきルールとは、どのようなものかを「経済法」の講義を通して学びます。経済法-諏佐 マリ Mari SUSA

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