熊本大学 法学部2017
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 毎日多くのニュースが新聞、テレビで報道されています。領土問題、内戦、貿易摩擦、環境汚染といった暗いニュースがある一方、和平合意の成立、軍縮条約の締結、経済協力の広がりといった明るい話題もあります。なぜこのような現象が見られるのでしょうか。国際関係論の授業ではその原因について考えていきます。 例えばなぜ戦争は起きるのでしょうか。ある人は「人間が悪いから」と答えるかもしれません。しかしそうであるならば、第二次世界大戦は突如としてみんなが「悪人」になったから勃発し、突如として「いい人」になったから終わったのでしょうか。また別の人は「民主主義ではない国が戦争を起こす」と言うかもしれません。しかし、2003年に起きたイラク戦争は民主主義国アメリカが主導したものでした。このように戦争が起きる原因はもっと深いところにあるのかもしれません。 国際関係論の授業では様々な「なぜ」について考察していきます。すると、無秩序に思われる国際政治の中にいくつもの「法則」が存在することが見えてくることでしょう。国際関係論-阿部 悠貴 Yuki ABE 環境問題を考察する際の社会科学的な分析視角について、様々な角度から検討を行います。担当者の専門は自然と人間のかかわりについて学ぶ経済「地理学」という分野ですが、本講義は「法学部」の専門講義ですので、いわゆるミクロ・マクロ経済学に主たる基盤を持つスタンダードな環境「経済学」のみならず、環境問題に対する人間の取り組みの歴史的変遷、環境問題に係る代表的な社会経済思想史、環境マネジメント、環境法・様々な環境政策の特質等について、メリハリをつけながら授業を展開していきたいと思います。そして最終的には、環境問題を考察することを通じて、いわゆる「社会科学的なものの考え方」になじんでいただき、本学部の教育目的=「法的、政策的知識を基盤とした、社会に生起する具体的問題を解決しうる基礎的能力」育成に役立てていただきたいと思います。環境経済論-外川 健一 Kenichi TOGAWA■履修イメージ 後期(3・4年次の何れかで必要な科目を履修します)1212345木経済法Ⅱ民事訴訟法Ⅱ月西洋法制史Ⅱ/社会保障法Ⅱ政治史/環境経済論国際取引法水比較行政制度論家族法/租税法Ⅱ金国際機構論不法行為法法社会学Ⅱ/地域政策火倒産法/現代政治論行政救済法Ⅱ刑事訴訟法Ⅱ国際関係論 この他にも、「知的財産権法」、「金融論」、「地方自治法」、「卒業論文」などがあります。また、公法・民事法・刑事法につきそれぞれ特論科目が開講されます。卒業論文 熊大法学部では、ゼミの単位とは別に卒業論文を単位として認定しています。卒業論文は4年間の学習の集大成であり、1〜2万字程度の論文を作成します。特定のテーマに関する調査・報告であるレポートと異なり、論文では、具体的なクエスチョンに対して比較や評価や分析を通じてアンサーを出すことが求められます。 具体的には、特定のテーマに関する代表的な論文や学説を精読し、立法者の見解を調べたり、判例の変遷を辿り、現在の到達点を明らかにします。また、これまで想定されていなかった問題への対策を考えたり、場合によっては、フィールドワークを行ったりします。その上で、何故そうなっているのか?どうすればいいのか?をゼミの指導教員と何度もやり取りをして結論を出します。 ゼミによっては、検討や報告のための合宿を行ったり、卒業論文集を作成する場合もあります。また、優秀な論文については卒業式において表彰されます(11頁・17頁参照)。法思想史

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