熊本大学 法学部2017
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商法(遠山 聡)ゼミ先生:先生:先生:先生:先生:先生:先生:先生:先生:学生A:学生A:学生A:学生A:学生A・B:学生A:学生B:学生B:学生B:学生B:「就職活動で企業に、ゼミで何をやっているかよく聞かれるんですが、商法を勉強しているということはわかるんですが、どう説明したらいいんでしょう?」「そうですね。ゼミで学んだことやゼミに対する姿勢は、企業も関心を持っています。ところで、遠山ゼミでの研究対象は会社法や商取引法、手形法・小切手法、保険法など、商法分野を幅広くカバーしています。何故かわかりますか?」「幅広く勉強しておけば、どういう企業に就職しても大丈夫ということですか?」「それもありますが、商法全体を通して経済的合理性や効率性といった商法の理念や考え方をつかんで欲しいと思っているからなんです。商法の中心理念は営利性、つまり利益の追求、わかりやすく言えばお金儲けなんですが、ではどうすれば大儲けできると思いますか?」「宝くじを買います!」「…それは商法が考えているお金儲けとは違います。例えば、安く買ってきたものを高く売る、という事業をやるとしたら、どうやれば利益が上がりますか?」「売るときの値段を高くしたらどうですか?」「いい線いってますね。でもあまり高くしても買ってくれる人がいないのでは困ります。よく薄利多売といいますが、安くても多く取引をすれば利益も増えます。簡単で素早く取引ができれば、より多くの取引をすることができますよね。」「ちりも積もれば山になる、ですね!」「問題はどうやればもっと効率よく取引を積み重ねられるか。せっかく買ってくれる人がたくさんいても、商品が無くては売れませんから。」「あ、仕入れてくるときの資金がたくさんあれば、商品をたくさん仕入れられて…。」「そうですね。事業をやる資金が多ければ多いほど利益を生み出せる可能性が高まります。商法は、企業がどうしたら効率的合理的に取引を行えるかを考慮して様々な制度を用意しています。株式会社も事業のための大量の資本(資金)を、より効率的に調達できるような組織形態として考え出されたものでしたよね。でも、もっと大切なものがあります。それは『信用』です。信用できない相手と取引したいとか関係を持ちたいとは思わないでしょう?」「なるほど。就職活動も同じかも。信用してもらえる人間にならないと!」「株式会社っていうとやっぱり株のことを思い浮かべるんですが、そういえば、夏休みの合宿では、東京証券取引所に見学に行くんでしたよね?」「実際に、どのようなシステムを使って株式取引が行われているかを、証券会社のセミナーを通じて理解して欲しいと思っています。それから、短い期間ですが企業見学を行ったり、東京での就業体験ということで朝の通勤ラッシュも体験してもらいますよ!(笑)」「うはぁ、大丈夫かなぁ…」「何事も経験です。」「だったら、東京ディズニーランドでサービスのあり方を学んできましょうよ!」「まったく、遊ぶことだけは二人とも知恵が働きますね。」14ある日の商法ゼミの会話からSatoshi TOHYAMA東京証券取引所にて

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