熊本大学 法学部2017
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 気に入らない国がある。 さてその国に軍隊を派遣して、自分の気に入るように作り替えてよいでしょうか? 日本は周囲を海に囲まれていますが、どこまでが日本なのでしょうか? 日本で投函した郵便がどうして外国に届くのでしょうか? 憲法に書かれていない子どもの権利が保障されるのはなぜでしょうか。 これらに関わるのが国際法です。 それは国際社会の構成員である国と国の関係についてのルールです。 2年次には、国内法とは異なる部分のある国際法の総論的な内容を勉強します。 具体的には、国際法とその基盤である近代・現代国際社会はどのようなものか、国際法と国内法の関係をどう考えるか等です。 3年次には、国家とは何か、その基本的権利義務、国家領域、海に関する国際法(海洋法)等について勉強します。 また、国際社会の重要な一員である国際機構について国際連合を中心に3年次の国際機構論で勉強します。国際法-林 一郎 Ichiro HAYASHI 時として経済理論はその難解さのゆえ役に立たないと言われます。しかし,実はそうではありません。私は大学生のとき、岩田規久男著『日経を読むための経済学の基礎知識』(日本経済新聞社,1988年)を手に取り、その内容に驚きました。グラフによる説明がたくさんあったからです。現実の経済状況や政策を学ぶには経済理論が必要なのだと痛感しました。 次の政策を考えてみましょう。貯蓄優遇政策を止め実質的に利子率が低下したとき、人々は貯蓄を控え現在消費を増やす行動をとると考えられがちです。しかし、人々は将来消費を重視し現在消費を控え貯蓄を増やすという行動に出る側面も持ちます。前者の効果よりも後者の効果が大きければ、貯蓄優遇政策を止めても、かえって貯蓄が増え現在消費が減少するという現象が現れます。過去に政府はマル優廃止政策を立案し、現在消費の刺激を目論んだことがあります。経済理論の初歩を学ぶことによって、政府の政策が誤りであることを指摘することができるのです。 皆さんも一緒に経済学の理論を学んでみませんか。経済学入門Ⅰ-池田 康弘 Yasuhiro IKEDA■履修イメージ 後期812345月政治理論金行政過程論Ⅱ外書講読国際法Ⅰ刑法各論Ⅱ火会社法債権総論水経済学入門Ⅱ商取引法木雇用関係法現代行政論選択演習B会社法 熊大法学部では、通常の授業内容よりもさらに深く詳しく法律を学びたい学生に向けた「特論」という科目を比較的少人数で開講しています。 特論科目は6つあり、公法特論Ⅰ・Ⅱでは憲法と行政法を、刑事法特論Ⅰ・Ⅱでは刑法と刑事訴訟法を、民事法特論Ⅰ・Ⅱでは民法・商法・会社法・民事訴訟法を、それぞれ複数の教員が担当します。 検討すべき設問や判決が事前に指定され、学生はそれらを予習した上で授業に臨みます。授業では、質問する教員とそれに応える学生との間で双方向の密なやり取りが展開されます。この授業は、受験指導や答案練習ではなく、大教室における普段の授業ではなかなか取り組めない本質的あるいは複合的な法律問題と向き合い、その解決策を考える実践的な機会です。予習は大変ですが、有意義で充実した授業により法的な思考力が養われます。 例えば、法曹(裁判官・検察官・弁護士)や法律専門職(司法書士・税理士・社会保険労務士等)を目指したい人は、ぜひこの特論科目に挑戦してみましょう。※この他にも教養教育科目を受講します。特論科目

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