熊本大学 法学部2014
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気に入らない国がある。 さてその国に軍隊を派遣して、自分の気に入るように作り替えてよいでしょうか? 日本は周囲を海に囲まれていますが、どこまでが日本なのでしょうか? 日本で投函した郵便がどうして外国に届くのでしょうか? 憲法に書かれていない子どもの権利が保障されるのはなぜでしょうか。 これらに関わるのが国際法です。 それは国際社会の構成員である国と国の関係についてのルールです。 2年次には、国内法とは異なる部分のある国際法の総論的な内容を勉強します。 具体的には、国際法とその基盤である近代・現代国際社会はどのようなものか、国際法と国内法の関係をどう考えるか等です。 3年次には、国家とは何か、その基本的権利義務、国家領域、海に関する国際法(海洋法)等について勉強します。 また、国際社会の重要な一員である国際機構について国際連合を中心に3年次の国際機構論で勉強します。国際法-林 一郎 Ichiro HAYASHI 毎日のニュースの中で企業の業績、株価の高低、円高・円安など、経済に関するさまざまな問題が報道されていますが、これらは私達自身の生活に密接に関連しています。 たとえば、私達が商店でどんな買い物をするかによって企業の業績は左右されますし、円高・円安の動向によって商品の値段が影響を受けます。 そのような個々人や個々の企業の経済活動を国全体で集計したものを「マクロ経済」と呼び、それを分析するのが「マクロ経済学」です。 マクロ経済を示す代表的なものが景気、失業、物価、為替レート(円高・円安)で、これらの動向を観察し、それぞれの間にどのような関係があるかを分析することからマクロ経済学は始まります。マクロ経済学を学ぶことによって、ニュースの中で現れる経済問題と私達の毎日の生活がどのように関係しているか理解できるようになります。 経済学の理論はマクロ経済学(経済学入門Ⅱ)とミクロ経済学(経済学入門Ⅰ)から成り立っています。マクロ経済学が国全体の経済活動を対象にしているのに対し、ミクロ経済学は個人や企業の経済活動を対象にしています。ミクロ経済学も2年次で勉強します。マクロ経済学-吉岡 英美 Hidemi YOSHIOKA■履修イメージ 後期812345月政治理論金行政過程論Ⅱ外書講読国際法Ⅰ刑法各論Ⅱ火会社法債権総論水経済学入門Ⅱ商取引法木雇用関係法現代行政論選択演習B会社法 熊大法学部では、通常の授業内容よりもさらに深く詳しく法律を学びたい学生に向けた「特論」という科目を比較的少人数で開講しています。 特論科目は6つあり、公法特論Ⅰ・Ⅱでは憲法と行政法を、刑事法特論Ⅰ・Ⅱでは刑法と刑事訴訟法を、民事法特論Ⅰ・Ⅱでは民法・商法・会社法・民事訴訟法を、それぞれ複数の教員が担当します。 検討すべき設問や判決が事前に指定され、学生はそれらを予習した上で授業に臨みます。授業では、質問する教員とそれに応える学生との間で双方向の密なやり取りが展開されます。この授業は、受験指導や答案練習ではなく、大教室における普段の授業ではなかなか取り組めない本質的あるいは複合的な法律問題と向き合い、その解決策を考える実践的な機会です。予習は大変ですが、有意義で充実した授業により法的な思考力が養われます。 例えば、法曹(裁判官・検察官・弁護士)や法律専門職(司法書士・税理士・社会保険労務士等)を目指したい人は、ぜひこの特論科目に挑戦してみましょう。※この他にも教養教育科目を受講します。特論科目
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