下記のとおり、災害時の法的課題に関する意見交換会を開催しました。
「熊本地震を中心とした災害時の法的課題に関する意見交換会」
日時:2025年1月28日(火)15時30分~18時10分
場所:熊本大学黒髪北キャンパス文法棟本館2階 研究会室2
日本全国で大きな自然災害が多発しているところ、災害時に顕在化する法的・政策的課題についての研究を深めるため、日本大学法学部および同商学部の研究者を中心とした研究グループと、熊本大学法学部の教員による意見交換会を開催しました。
当日は、日本大学さまより、日本大学災害研究ソサイエティによる研究内容について情報提供をいただき、熊本大学からは熊本地震の際の大学の取組み及び法学部としての研究成果についてお話ししました。特に、後者については、熊本大学法学部編『熊本地震と法・政策』(成文堂、2022年)に掲載された論文を取り上げ、熊本地震当時の状況を踏まえてどのように着想を得たか、また研究を通じて得られた成果について法的課題と政策的課題双方の論稿を取り上げて報告を行い、参加者による意見交換を行いました。個々の論稿に関する活発な質疑応答を通じて、災害法制は行政法学の枠内で規定が多く置かれてはいるが、災害時に生じる法的課題については憲法学など他の領域からのアプローチもかかせないことが確認されました。また、災害時の政策的課題については、あくまで災害時に顕在化するだけで、実際には平常時から内在している課題であるといったことも明らかとなりました。
報告で取り上げた課題はいずれも、他の自然災害でも同種の問題が生じた/生じうるものです。熊本の社会的課題の研究を通じて、日本全国でも応用しうる問題解決策を提示できるよう、今後も研究を進めてまいります。
*なお、『熊本地震と法・政策』に関する詳細は、こちらをご覧ください。