学生・教員リレーエッセイ

2015.07.09  <澁谷 洋平>

 7月に入ると、梅雨明けとともに、前期授業は終盤を迎え、その先に定期試験が待っています。定期試験では、「論述」(××について論じなさい)という形で、授業内容の理解度が図られます。
 熊大法学部の授業には、大きく分けると、「講義」と「演習」という2つの形態があります。「講義」は、200名を超えるものから、30~50人程度のものまで様々ですが、主として、教員が専門的な知識や考え方を教授し、学生はこれに受動的に参加します(講義の1コマは、右リンク先の下部にある「動画で見る体験授業1分間LIVE」(https://www.law.kumamoto-u.ac.jp/curriculum/)をご覧ください)。他方、「演習」は「ゼミ」とも呼ばれ、少人数の学生が主体となって問題提起をし、全員で議論していくものです(演習はこんな感じです)。
 さらに、熊大法学部には、両者の中間形態である「特論」という授業があります。「特論」には、「公法特論Ⅰ・Ⅱ」、「民事法特論Ⅰ・Ⅱ」、「刑事法特論Ⅰ・Ⅱ」の6つがあり、私は「刑事法特論Ⅰ」を担当しています。そこでは、例えば、①XがAに激しい暴行を加えて港に放置したところ、YがAの頭部を殴打し、Aの死期が若干早まったという場合に、「Aが死亡したのはXの行為のせいだ」といってよいのか、②XとYがBに暴行を加えるため、犯行日時・場所や方法などの計画を立て、この計画に従ってYのみがBに暴行を加えて死なせたという場合に、Bに対して全く手出しをしていないXと、実際に手出しをして死なせたYとの間で刑事責任が異なるのかといった刑法上の重要問題について教員・学生間で議論を行うほか、司法試験問題などを素材とした事例問題の論述指導を行っています。この「特論」は、法科大学院に進学し、司法試験に合格して法曹(裁判官、検察官、弁護士)になろうとする学生たちが中心ですが、従来型の大学院(修士・博士課程)に進学して研究者になりたいという学生や、刑法をもっと深く学び、問いたいという学生も参加し、適度な緊張感の中、よい議論が積み重ねられています。
 さて、特に大学進学を目指している皆さんは、どのような授業に魅力を感じるでしょうか。当然、どの授業も「学生が主役」ですが、実際に受けてみないと具体的なイメージが湧かないことでしょう。 熊大法学部では、「体験入学」を実施しています。そこでは、講義と演習を実際に体験することができます。今年は8月8日(土)に実施されますので、法学部に興味・関心のある方、熊大法学部に体験入学してみませんか。きっと大学・学部選びの参考の1つとなるはずです(体験入学の詳細についてはこちら(https://www.law.kumamoto-u.ac.jp/topics/event/)をご覧ください)。