学生・教員リレーエッセイ

2015.11.30  <林 一郎>

 「他の講義の先生の数千倍わかりやすくかつおもしろく講義をしてくださったことに感謝。他の先生方にも見習ってほしい。」、「 素晴らしい時間効率のよさは、まるで時の魔術師のようでした。」、「レジュメの完結さは日本一といっても過言ではないのかもしれません。この授業を受けられたことを誇りに思います。」、「とても良かった。レジュメ、解説、どれをとっても満点。改善して欲しい点なんてない。他の先生に見習って欲しい位に、授業の展開が上手であった。圧巻の授業であった。」。
 これは本学で行われている、授業改善のためのアンケート(匿名)のある授業の自由記述欄の一部です。残念ながらこれは私の授業ではありませんが、皆さんが本学部で勉強することがあったら是非受講して下さい。
 それに対して、私は、初心を思い出せと書かれましたが、これには、「出藍の誉れ」という言葉を返します。
 ともあれ、私が小学生の頃なりたかったものの一つはケーキ屋さんでした。中学の頃には、ロボットの二足歩行における重心の安定制御を考えたこともあります。相対性理論と量子論による宇宙論に惹かれもしました(SF小説を読みあさり、光速を越える方法も考えてみました←相対性理論を越えちゃってますが。超弦理論やシュレーディンガーの猫もなかなか興味深いものです。)。
 そのうち、社会のひずみに不快感を覚えました。想像も出来ないような過酷な境遇の人たちがいる。一日1ドル円以下で生活している人が世界中に何十億人もいる。なんとかしなくちゃいけない。社会の混乱によって、人々が苦しめられるのだとしたら、混乱を収めるルールが必要だ(*社会あるところ法あり、という法学の格言があります。)。その一つである「法」を勉強して、社会を良くすることに貢献しよう。これが私の出発点です。
 学ぶべき大学は「蛍雪時代」で見つけました。私が今専門としている法(法にも色々種類があるのです。)についてお二人の先生が紹介されており、その内のお一人が、母校のM先生でした。目的・志望大学が明確になり勉強に力が入るようになったものの、模試でA判定が出たことはありませんでしたが、幸い第一志望大学法学部に合格しました。
 このエッセイの読者対象である高校生のみなさん。受験学部・大学は決まっていますか。第一志望校合格を目指して勉強を頑張って下さい。そして、あきらめず受験して下さい(受験料はかかりますが)。模試でいい評価が出なくても本番で合格することはありますが、受験しなければ絶対に合格できません。合格すればこっちのものです。でも、もし不合格になってしまったら、きちんと気持ちを切り替えて下さい。志望校に落ちたコンプレックスをずっとかかえたままの同級生たちがいましたが、そのような人はどこでも頑張れないのではないかと思います。第一志望校で勉強しているかどうかにかかわらず、今いるところで明日に向かって頑張りましょう。
 そして、いま、私は、高校生の時に志した勉強を続けています。本当は実務家として世界中を飛び回っているはずだったのだけれど。以前のエッセイで取り上げた息子は今、ブラックホールに興味津々です(相対性理論が分からないと言っていますが)。さて、どのような未来を開いていくのか楽しみです。