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(2025年度)バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプでの支援活動ほか 

寺川正太郎さん(法学部法学科4年)

バングラデシュ現地調査活動報告

 本年度1月4日から10日までの1週間、ロヒンギャ難民問題と社会情勢の理解を目的にバングラデシュで現地調査を実施しました。首都ダッカでは、在日ビルマロヒンギャ協会のアウンティン副会長や群馬県館林市の地方議会議員、NPO関係者と共に、JICA事務所および日本国大使館を訪問し、両国の協力体制について深く学ぶ機会を得ました。

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バングラデシュ日本大使館訪問

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バングラデシュJICA訪問

 今年の11月にバングラデシュは後発開発途上国(LDC)を卒業するため、それを見据えてちょうど私たちが訪問した2週間前に、日本とバングラデシュは経済連携協定(EPA)交渉で大筋合意に至りました。最前線でバングラデシュと日本の協力関係を強化するため奔走する方々の姿勢や考えを直接見て聞き感じることが出来たのは大変貴重な経験となりました。

 それからコックスバザールに移動して、世界最大のロヒンギャ難民キャンプを訪問しました。ロヒンギャとはミャンマーでイスラム教を信仰する少数民族で、今回私たちが交流した人々は度重なる迫害を受けて隣国のバングラデシュに命からがら逃げてきました。

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難民キャンプの子供たち

 実際に現場を視察したことでオンライン情報とは異なる様々な事情や限界を知りました。1つは難民キャンプの事情です。政府も国際社会も難民キャンプは一時的に難民を保護する目的で設立し彼らの母国への帰還を目標としています。そのため住居は竹とビニールなどの簡易的なモノで作ることや商売をしてはいけないなどのルールがあります。しかし現実的に帰還は遠い先の話で、簡易的な住居は衛生的に危険な状況を作り出し人権を守ることとの矛盾が生じます。結果として、コンクリートで住居の基盤を作り、上から泥や草で覆ったり、露天商や洋服の仕立て屋、床屋などの生きるために必要な経済活動は黙認するといった状況が生まれています。現在、筆頭ドナーである米国(USエイド)を含む国際社会の支援予算が大幅な削減傾向にあり、教育センターの閉鎖や食糧配給の減少が現実のものとなってきています。国際社会は難民の人権保護という大きな課題に直面しています。

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 もう一つは、教育の限界です。難民キャンプ内の選ばれた一部の子供は、国連や外部の人たちによって設立された小屋のような学校で、中学生まで教育は受けられるものの、その後の高等教育、大学などの学習環境はまだ整備されておらず、やることがない子供たちが大勢生まれ、暇な時間で犯罪に手を染める若者が多く存在していることも事実です。現物支給など今を生きるための支援は当然に第一優先ですが、子供の教育なしには現状打破、未来の発展はあり得ないと思いました。キャンプの視察で特に驚いたことは、キャンプ内でのスマホの普及率とソーラーパネルが設置されていたことです。暇を持て余した子供たちは、太陽光発電で得た電気でスマートフォンを使い、日本でも流行するゲームアプリやTikTok、Instagramに熱中していました。SNSを通じてキャンプ外の生活を知った彼らが未来への希望を持ち勉強出来る環境を整えることが我々恵まれた先進国の今後の課題だと考えます。

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 加えて、同行した群馬県の高校生がNGOのメインで時間と資金をはたいて直接的には自分と関係のない国の支援に一生懸命取り組む姿勢、また日系企業から集めた訳アリ商品を途上国に寄付するNPOの方の志に触れて、同じ日本人として大きな刺激を受けました。キャンプ内の運動場ではサッカーを一緒にプレーして住む場所や話す言語が異なるだけで同じ人間だと改めて感じると同時に、置かれた環境は真逆にあり私たちがどれほど恵まれた環境にいて平和ボケしているのかを痛感し、自分を見つめ直す機会となりました。

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 ガタガタの道を4時間近く揺れて移動した先のチッタゴンでは、プレミア大学(PUC)、バングラデシュ民族主義党(BNP)副会長宅を訪問しました。訪問した時期は死刑判決を受けた前首相ハシナが国外に逃亡し、新政府設立のための選挙を一か月後に控えるタイミングでした。学生デモが前政権の退陣につながったことなどからも、自らの手で未来を切り拓こうとする現地学生たちの当事者意識や圧倒的な熱量に触れ、政治的過渡期を肌で感じることができました。

 深刻な大気汚染によって、最終日には高熱と咳が止まらなくなり、咳喘息を患う結果になりましたが、普段学べない経験の代償だと考えれば安いものかもしれません。

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