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法学部長の新入生に対する祝辞を公開しました。

祝辞

 新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。みなさんを迎えるにあたり、熊本大学法学部の教職員を代表して、心よりの祝意をお伝えいたします。
 すでにご案内のとおり、新型コロナウイルス感染症に対応するため、入学式の中止をはじめ当初のスケジュールの変更を余儀なくされています。入学式を楽しみにしてこられた新入生のみなさん、そしてご家族のみなさんにはまことに申し訳なく思っております。お許しください。
 今年度、法学部には214名の新入生をお迎えしました。熊本大学法学部は、旧制第五高等学校を淵源とし、戦後の新制大学としても70年の歴史を刻み、多くの有為の人材を世に送り出してきました。新入生のみなさんはそうした長い歴史に連なって学問・研究に取り組むことになります。
 そのスタートを切るこの時期に、改めて「大学で学ぶ意味」を考えてみてほしいと思います。「なぜ大学に進学したのか」「なぜ法学部を選んだのか」「法学部で何を学びたいのか」。跡付けでもかまいません。現在の地点に立って、自らの選択を将来に向けて意味づける作業をしていただきたい。そのことで、それぞれの学生生活のスタートラインを確認してほしいと思います。
 大学での「学び」は、諸個人の問題意識の広さと深さによって支えられています。受験勉強から解放され新生活の始まる今、自らをゆっくりとしなやかな感性で顧みて、「熊本大学法学部で学ぶ自分」の物語を再構築してみる時間をもっていただきたいと思います。
 熊本大学法学部は、幅広く深い社会に関する認識と多様な価値への理解力を備え、法的・政策的素養をもとに、自らの頭で考え、判断し、解決策を提示する能力を備えた人材の養成を目指しています。こうした能力は、いま現在の状況がそうであるように、見通しの効かない不確実性が増大しつつある現代社会にとって、ますます必要とされている能力です。自分なりの「大学で学ぶ意味」を大切に、本学部が提供する教育環境を、チャレンジ精神をもって活用していってほしいと思います。
 これから始まる大学生として過ごす時空間は、かけがえのない、とても貴重な時間です。けして無為に過ごしてはなりません。わたしたち教職員一同は、多様な視点と論理的思考の修得にとって最適な学習環境を提供することを通じて、学生一人ひとりの公私にわたる人生の基礎体力の形成に貢献してゆきたいと考えています。そのことをお伝えし、もう一度、「入学おめでとう」のことばを贈って祝辞とします。


                                 令和2年4月4日
                             法学部長  鈴木 桂樹