学生リレーエッセイ

2023.02.24  <武久 萌音(大学院社会文化科学研究部1年)>

  こんにちは、社会文化科学教育部1年の武久萌音です。今回のリレーエッセイでは、熊本大学法学部を卒業後に大学院へ進学した私から、大学で学び、研究することについてお話しさせていただければと思います。

 熊本大学法学部は1学年に200人ほどの学生が在籍していますが、今年そこから大学院の法学系コースへ進学した同級生は6人居ます。少ないと感じる方と多いと感じる方の両方がいるかもしれませんが、R2年の文科省統計では社会科学系の進学率が2.2%となっているため、私は「意外と多いな」という感覚でした。更に、学部からそのまま進学した学生だけでなく、働く中で課題観を持ち、大学院へ学びに来た社会人院生の方が同学年に2人いらっしゃいます。なお、働かれている方は4年間在学できるため、先輩も沢山いらっしゃいます。

 このエッセイの主な読み手は熊本大学法学部への進学を考えている方と伺っていますから、4,5年も先のことはイメージが湧き辛いかとも思いますが、卒業後のことを少し想像できるようなことを書いていきたいと思います。

 入学後の皆さんは、教養科目や基礎法をある程度学んだ後、学部3年次にはゼミ(研究室)に所属することになります。2年間で学んだことを踏まえて、友達や先輩の話を聞いて、よく悩んで(あるいは思い切って)、深く掘り下げるひとつのテーマを決めることになるかと思います。法学部の中にも様々な学問があり、特に熊本大学法学部は政治学や経済学も学べるようなカリキュラムを用意している総合大学ですので、学生の興味関心によって、憲法、民法、刑法などの主要法学だけでなく、財政学、医療法務、地方自治論なども含めた多様な選択肢が用意されています。卒業論文がないゼミもありますが、卒業論文を書く場合には、ひょっとするとその研究テーマはそれまでの人生で最も時間をかけて考えを深める機会になるかもしれません。そしてそれを楽しいなと思えた人、または2年間では到底考えきれなかったと思った人は、その後の進学を考えてみて欲しいな、と思います。

 皆さんの今の大学進学のモチベーションは様々かと思います。私は教員免許の取れる法学部に進学したくて熊本大学に入学し、取得できる教員免許の種類が少なかったので法学に専念することにした後、法学も「やりたいことと違ったかもしれない」と考えて、純粋な法学とは少々毛色の違う交渉紛争解決学ゼミに所属しました。「これは面白い学問だ、修得したいなあ」と思って2年間取り組みました。その時点までの私は、大学に4年間通えばその専門分野について十分詳しくなれると思っていましたが、実際に4年間を終えかけて進路を考えた時、このせっかく面白いと感じた学問を自分が理解し切れたと言える気が全くしませんでした。それがなんだか勿体ないような気がして進学したわけですが、興味関心にひたすら取り組むこの贅沢な時間を得られて、進学を選択してよかったと心から思っています。

 意外かもしれませんが、大学院進学者には学部4年の2月に決心した学生さんや、研究者としての自身の能力に自信はないという学生さんも多いです。皆さんの今の思いがどうであっても、学部での学びを通して研究することに興味が湧くかはわかりません。ですが、強く惹かれる学問との出会いがこの熊本大学法学部で起きればいいなと願っています。ちなみに私のオススメ学問である交渉紛争解決学を体系的にやれる大学は国内では熊本大学くらいだそうです。社会人院生の枠では全国から様々な職種の方がいらっしゃるので、どの講義でのディスカッションも非常に興味深く、刺激的な日々を送っています。楽しいですよ〜!
 皆さんの入学を心よりお待ちしています!