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熊本大学法学部は、法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)を目指す学生を対象として、「法曹コース」設置を予定しています。

熊本大学法学部では、法曹養成教育のため、「法曹コース」を設置することとしました。

1.法曹養成教育をめぐる現状

 現在、司法試験の受験資格を得るためには、法科大学院を修了するか、経済的事情等で法科大学院を経由しない者に対して実施されている司法試験予備試験に合格する必要があります。法科大学院進学は、法曹に必要な学識及び能力をプロセス重視の教育により身につけることができるメリットがある反面、その経済的・時間的負担が問題となっていました。そこで、法曹養成教育の理念に立ち戻りつつ、法曹志望者の負担を減らすことを目的に構想されたのが、「法曹コース」です。

2.「法曹コース」の概要

 法曹コースは、次のようなものとなります。
・法学部3年+法科大学院2年の最短5年で司法試験の受験資格を得ることができます。
・法学部において、法律基本7法(憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、
 刑事訴訟法)をしっかりと学び、厳格な成績評価を受けることになります。
・法学部に早期卒業制度を設けることで、3年で大学の卒業資格を取得することができます。
・法曹コース在籍者を対象に、協定先の法科大学院への特別選抜入試が実施されます。
 特に、地方大学出身者に対しては、地方の司法サービス充実のため、専願枠が
 設けられます。
・国は、現時点で、平成32年度の2年次生から法曹コースに編入するものとしています。

3.熊本大学法学部における「法曹コース」
(1)入学時から少人数できめ細やかな指導が受けられる法学特修クラス
 一般的な法曹コースは、2年次からの設置が予定されていますが、熊本大学法学部では、法曹志望者を入学時からより丁寧に指導するため、現在1年次から所属する少人数の法学特修クラスを設置しています。本学部における法曹コースは、この法学特修クラス内に設置することで、入学時からきめ細やかな指導を受けることができるコースとすることを目指しています。
法曹コース設置.png また、法律基本7法に関する大講義や法学特修クラスでの少人数授業に加えて、3・4年次には法律知識のアウトプットを目的とした「特論科目」を用意しており、学部在籍時から文書作成に関する演習を受講することができます。

(2)有力法科大学院との協定
 協定先として、司法試験合格実績が非常に高い四大学(九州大学、神戸大学、中央大学、早稲田大学)を予定しており、これら協定校の特別選抜入試を受験して各法科大学院に入学することができます。併せて、これらの法科大学院への受験につき、熊本大学には専願枠が認められることが予定されています。

(3)「法曹コース」設置によるメリット
 早期卒業制度を活用し、学部と大学院の協力のもと5年間の一貫的な法曹養成教育を実施することは、早くから法曹を目指す学生や、本学のように法科大学院不在地域(本学法科大学院は本年度末に廃止を予定)の法曹志望者にとっては有意義な仕組みであると考えられます。

4.今後について
 平成31年1月現在、学部の法曹コースに関する関係法令が改正されておらず、法曹コースと法科大学院との本協定は次年度以降にずれ込む可能性が高くなっています。しかし、法曹コースの対象となるであろう平成31年度入学生に対して入学時から指導を行うため、熊本大学法学部は、2月1日(金)に、九州大学、神戸大学、中央大学、早稲田大学の各法科大学院との間で、教育連携のための本協定を結ぶことを前提に、準備協定を締結することとしました。
 今後は、国において可及的速やかに関係法令を改正して、新制度が実現することを期待し、南九州における法曹養成について責任をもって取り組んでまいりたいと考えています。