学生リレーエッセイ

2022.02.17  <学生T(2022年2月17日)>

 熊本大学法学部の学生は3年生になると、自分の専攻分野を決定し、その専攻分野にあったゼミに所属することになります。このエッセイでは、私がゼミに所属して感じたことを書きたいと思います。
 私がゼミに所属して感じたことの1つ目は、ゼミでは自分の意見を述べる機会がたくさんあるということです。ゼミ以外の講義では、自分の意見を述べることはあまりありません。しかし、ゼミで行われる判例報告、当事者調査の場では自分の意見を報告したり、聞かれたりします。ゼミに入ったばかりの頃は、自分の意見を述べる機会がそれまでなかったため、誰も意見を述べることができない時もありました。うまくいかないながらも、自分の意見を述べることを続けていくと、自分の意見に対して他のゼミ生から意見が出たり、他のゼミ生の意見に対しての自分の意見を述べたりすることが増えていきました。その結果、他のゼミ生の意見を聞けるという面白さ、意見交換を通して理解が深まる楽しさから、ゼミの活動を楽しみに感じるようになりました。
 2つ目は、他のゼミ生との協力作業が多いということです。特に私の所属していたゼミでは、判例報告の作成は他のゼミ生とのペアで行いました。協力作業に関しても、ゼミ以外の講義でのテストの解答、レポートの作成は1人で行わなければならないので、協力して判例報告を作成するといったことは初めてのことでした。ペアで作成したことによって、限られた時間の中で、論点をきちんと拾い、それぞれの論点について、1人で作成する際には不可能なほど丁寧に考察し、意見を書くことができました。しかし、協力作業を行う際に、お互いの考えをしっかりと理解し、作業がバラバラにならないようにするのは大変です。ゼミで悩みながら協力作業を行ったことによって、どのように協力作業を行うとうまくいくかの経験を得られたことは勉強になりました。
 3つ目は、ゼミに所属する前までは自分以外の人にやってもらっていたことを、自分でするようになったということです。私の所属していたゼミでは、原告の方や被害者の方、弁護士の方からお話を聞く機会をたくさんいただきました。その際の日程調整、当日の打ち合わせ等については、私を含めたゼミ生が直接連絡を取って行いました。ゼミに所属する前は、日程調整などは講義を担当していただいた教授に行ってもらっていたのですが、ゼミではそれを自分で行うことになったので、目上の方とのメール連絡の取り方、日程調整の方法等について、大変貴重な経験を積むことができました。
 私がゼミに所属して感じたこれら3つのことは、ゼミ以外の講義では機会の少ない「人間同士の関わり合い」から生まれるものです。これら3つを通して経験したことは、自分がこれから社会に出る時に役に立つと感じています。社会に出る前にこれらの経験をさせてくれたゼミには、大変感謝しています。