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2025.11.20 <川原 陽葉(2025年11月20日)>
大学3年の夏、世界一幸福な国と称されるフィジーへ3週間の旅をしに行きました。私は高校生の時から海外での生活に憧れを持っており、大学生になったらホームステイをしたいとずっと思っていました。1年生の時に大学のプログラムでカナダのアルバータ大学へ語学セミナーに行きました。この時は渡航までの手続きは学校で準備されており、行った先でも同じ日本人の学生と毎日一緒に生活していたこともあり、1人で何かをしなければいけない状況や英語しか使えないという状況はほとんどありませんでした。この経験から「誰も知らない何も知らない環境で生活してみたい」という気持ちが生まれ、自分で海外渡航のエージェントを探して今回のフィジー旅を計画しました。
「フィジー」と聞くと多くの人は、場所はよくわからないけど南国で海の綺麗なリゾート地を思い浮かべると思います。私も行く前は同じことを思っていました。このエッセイでは、現地に行ったからこそ感じることができた南国フィジーについて、少しではありますが皆さんに共有したいと思っています。
まず一番感じたことは、フィジーは大自然の国だということでした。大自然といっても綺麗なものばかりではなく、道端にあるゴミの山、規制のない野焼き、1日に1度は見るネズミたち、どこにでもいる野良犬など、日本で生活をしていたら「非日常」だと感じるであろう光景を「日常」として生活しました。この日常から、日本で生活していて感じていることやテレビ越しに見えている世界がすべてではないことを改めて強く感じました。頭ではわかっていても実感できなかったことが、外に出たことで明確に目に見えた経験でした。
私はこの大自然の中でも現地フィジーの人たちの温かさがあったことで生活することができたと思っています。日本でいう「こんにちは」や英語圏の「Hello」と同じようにフィジー語にも「Bula(ブラ)」という言葉があります。日本や私の行ったカナダでは街中で人とすれ違っても滅多に挨拶を交わすことありません。しかしフィジーではすれ違うすべての人が「Bula」と笑顔で声をかけてくれます。滞在中、英語が上手く話せず落ち込んで不安になることも多々ありましたが、この言葉のおかげでどんな困難も乗り越えられた気がします。「Bula」は私にとって魔法の言葉です。
平日は教育ボランティアとして現地の5歳から15歳の子どもたちが通う学校で活動しました。ここで子どもたちと過ごして感じたことは、コミュニケーションに必要なのは笑顔と勇気であるということです。5歳の子どもたちの中にはまだ上手く英語を話せない子もいて聞き取ることが難しい場面も多くありましたが、笑顔でおはようと言って1日をスタートして子どもたちと一緒に走り回る勇気さえあれば、たとえ英語が話せなくても言語が通じなくても距離を縮めることはできます。こうして距離を縮めることがコミュニケーションの第一歩だと学ぶことができました。子どもたちの活気と明るさは世界共通だと感じました。
一人で海外に行き日本語が通じない環境で生活をしたことで、帰ってきた今では何でもできそうな自信しかありません。読んでくれている皆さんがフィジーという国を知り、このエッセイが何かに挑戦したいという勇気になり皆さんの世界への第一歩のきっかけなっていればいいなと思っています。
何事も挑戦から始まる。私はそう信じてこの先も色んな旅をしてたくさんの人に出会いたいと思っています。![]()





